風 寒 湿

風 寒 湿

ロングボード(波乗り)の専門誌NALUを読んで知ったドライスーツ。
波乗りのウェットスーツにもドライスーツがあることを知った。
僕は元来ガリガリのやせ型。
以前は虚熱が甚だしく水中にいることの方が心地よくさえ感じていたが、30代も半ばを過ぎると体力の衰えは否めません。
冬に大好きな波乗りに行く事も億劫になっていました。
ところが冬の波乗り事情を大幅に変える事ができるかもしれない「ドライスーツ」なるものが、今までは一人で脱ぎ着する事が困難だったのだけれど、今までのものよりも脱ぎ着しやすいものができたと誌面で紹介されていたのだ。
これはぜひ試してみたい!

湘南のような冬でも比較的温かい場合には「ドライスーツ」なる代物を着ている人はほとんどいない。
いや、この程度の寒さで「ドライスーツ」なんて着てちゃ「ひ弱い」という雰囲気すら漂っている。
波乗り人とはそんな雰囲気すらかもし出す不思議な生物なのである。

しかし寒くっちゃ体は動かないし、濡れた体のまま寒空の下で着替えるのはこれまた拷問に近い。
それでも波乗り中毒は冬の海に入るのである。

以前、藤田紘一郎先生が日経新聞のコラムで体温のお話を書いていたのを思い出す。
「体温が27℃以下になると生命活動をすることができない」
しかし凍死する温度にしちゃ低すぎるとは思いませんか?

寒さの厳しさも峠を越える春ごろに、夜に酔っ払って寝てしまいそのまま凍死してしまうという事件があるという。
20℃以上の気温になると一般的には温かいものだが、危険はさほど過酷な環境ではなくてもあるということなのである。

ならば冬の海をなめてはいけない。
僕のようなガリガリ体型であればなお更のことである。

凍死前には錯乱状態になり、現実にはめちゃくちゃ寒いのに体は暑いと感じてしまうため着衣を脱ぎ捨ててしまうそうだ。凍死の人は裸体である場合が多いそうである。
冬山で遭難した際などにもおこるのだそうである。
実際に見た事も体験した事もないので真相はわかりませんが。

冷えが極まると熱と感じる。これはまさに漢方用語の「真寒仮熱(しんかんかねつ)」の状態である。

以前僕は「虚熱」というものに大変に悩まされていました。
しかし、熱を軽くするであろう治療法を用いてもなかなか良くならないのです。
冷えや熱という感覚器には、「誤認」がおこりやすいのである。

話は長くなったけれど、
「ドライスーツ」を昨日はじめて着てみてその素晴らしさに感動しました。
今まで着用していた「セミドライ」は12月までにしよっと!
冬場の「ドライスーツ」とにかくおすすめします。

利点
体の中が結露や汗で濡れてしまうが、海水でずぶぬれになるわけでない。
痩せているのもあるがノンジップタイプは脱ぎ着が思った以上に楽である。
波待ちやライディング中は全く寒くなく快適そのもの。
これで寒い冬でも朝一のラウンドが苦にならなくなりそう!
僕はthe RLMのHadsonというモデルを購入してみました。
本当にオススメです。

海上で寒空の下で、濡れて、風にふかれる、という事がどれほど体力を奪うのかということを考える。
その中でも、寒さにも負けずガンガン波乗りしている人の体力には脱帽である。
しかし、それだけ体に無理をかけていることがいつまで続けられるのかは疑問である。

冬や極寒地での波乗りという条件は特異なものだけれど、多くの疾病を悪化・重篤化している原因としての「冷え」という病状と、ある種の共通的なものが見えてくる。

たとえば「うつ病」。
寒くて凍えて動けず不活発な状態は「うつ状態」と似ている。
しかし、その冷えが甚だしくなり錯乱状態になれば「パニック」や「統合失調」、「ヒステリー」化する。
もっと身体的な症状へと拡大していくと、
例えば「月経前症候群」の情緒の不安定さはその原に冷えを内包している人はとても多いと感じる。

僕でも海上で寒くなり身体的に余裕がなくなってくると、最初は積極性がなくなり、さらに余裕を失うとイライラしてくる。
これは言葉で表す単純な「冷え」ではない。
しかし、肉体的・精神的な状態とは具体的にはこうなっていくのである。
痛みや、冷えを通り越した「熱感」のようなものすら感じるからだ。
こういうことを体験していくことで、漢方薬を使うのにも、補助食品を利用して治療の補助をするのにも、幅が広がってくることを感じる。

風 寒 湿 が禍となるのは、その人の状態や状況によって変わってくる。
その位置は流動的なものなのである。
現代の患者さんはたくさんの情報を持ち、ひとそれぞれに多様な表現をする。
その様々な「用語」として表現された症状は、治療者として受けての僕がどのように捉えるのかにも大きく左右される。
つまり訴えだけにとらわれてはいけないし、他の判断基準が必要なのである。
漢方の陰陽の六経は、その位置を見出す方法論として実に優れたものだと浅学ながら感じている。
しかし、使い手の側にはなかなかその方法を会得するのが難しいのである。
繰り返し文字を書き写すことや、さまざまな体験が、その方法論を感じ取れるような僕へと導いてくれ、直感力を更新してくれるのだろうと、おぼろげながら最近感じる。
とても地味で孤独な作業だけれど、最も大切な事なのではないだろうか。

テキスト化された中医学はわかりやすいが、ギリギリの判断や選別をしていくのに確信がもてないと僕は感じている。基礎理論として分かりやすい反面、実際の治療に活かすには、人の体とそれをとりまく状況が単純なものではないがゆえに難しい。僕程度の浅学の者がいうべきものではないのだろうが、ある一線以上の治療には歯が立たないと感じる。

僕はもっと腕を上げなければならない!

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